うなぎ豆知識

生物で云う鰻の特徴

●うなぎの血は毒

命をおとすような強い毒ではありませんが、うなぎの血には「イクチオヘモトキシン」という毒が含まれています。 
傷口に入ると炎症や化膿するそうです。また、口に入ると吐き気や呼吸困難などを引き起こします。
 しかしこの毒は60度以上で加熱調理をすると毒素がなくなります。
竜由では焼く前に蒸し、さらに焼上げるのでもちろん安心です。同じうなぎ目に属するアナゴやウツボ、ハモの血にも毒が含まれています。

うなぎは栄養たっぷり!

●うなぎにはどんな栄養があるの?

うなぎはビタミンB1をはじめとして、豊富なタンパク質やビタミン・ミネラルを含んでいます。 ビタミンB1は水に溶けやすく、熱によって失われやすい性質をもっているため、食べ物で補えれば、それに越したことはないです。

●うなぎは脂っぽくてコレステロールやカロリーが高そうに見えますが?

うなぎの脂肪の量は100g中約24gと多めですが、魚類に含まれる脂肪の成分は不飽和脂肪酸。 中性脂肪やコレステロールを気にする方も安心して食べられます。 また、EPA(エイコサペンタエン酸)なども含まれています。

●うなぎは栄養満点って本当?

うなぎは今注目のDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)が、青魚の代表選手・アジよりもずっと多く含まれています。 また、ビタミンA・B1・B2・D・Eも豊富に含まれています。 中でもビタミンAは蒲焼1人前で1日に必要な量がまかなえます。 うなぎにはビタミンEが牛肉の約10倍もの6.3mgも含まれています。

関東風・関西風って?

うなぎの蒲焼は大きく分けて関東風と関西風の2種類。

●関東風は背開き 関西風は腹開き

関東風は背開きで焼きの前に蒸しが入り、関西風は腹開きで、蒸しはありません。 武士社会の関東は、「切腹」を連想させる腹開きは敬遠されました。 そして、商人の町・関西では「腹を割って話しましょう」ということからも腹開きになったということです。

●関東風、関西風 調理の違いは?

関東風はうなぎを、蒸してからたれをつけて焼いていきます。 関西風は、素焼きしたうなぎを、すぐたれにつけて焼く(地焼き)のが特徴的です。

●うなぎの大きさは?

関東のうなぎ屋さんのサイズが、関西のうなぎ屋さんで使われるものと比べて少し小さめです。 関東では1匹200gが平均とありますが、これは関東地区の場合なのです。 つまり、生きている活うなぎの重量で1kg当り5尾と言うのが、東京を中心とした関東地区のうなぎ屋さんで一番多く使われているサイズです。

うなぎの仲間、知っていますか?

世界には18種類(亜種3種)生息するうなぎですが、魚類のなかのウナギ目(Anguilliformes)ウナギ科(Anguillidae)に属し、日本には2種類生息しており、ニホンウナギ(Anguilla japonica)、オオウナギ(Anguilla marmorata)がいます。 みなさんがうなぎ専門店で口にするのはニホンウナギです。

ウナギ目の中にはウナギ以外にもアナゴやハモの他、ウツボやウミヘビも含まれています。

ウナギと名が付くものにヤツメウナギやデンキウナギ、ヌタウナギがありますが、これらはウナギ目ではありません。

ヤツメウナギは目の横に7対のエラ穴が並んでいるため、目が8つに見えることから八つ目うなぎと呼ばれています。またヤツメうなぎはビタミンAを多量に含んでいるため、昔から夜盲症の特効薬として珍重されてきました。

デンキウナギは主に南米大陸に生息しており、その名の通り、電気を発生させることができます。デンキウナギはその電気で周囲の様子を検知しエサを獲ったり、身の危険を感じた時に相手を感電させます。

うなぎ豆知識1:うなぎのふるさと

長年の謎だったニホンウナギの産卵場所が、北西太平洋のマリアナ諸島沖の海山であることを、東京大学海洋研究所の塚本巳教授らのグループが突き止めた。

ウナギの産卵場所は、古代ギリシャ時代からの謎。養殖のウナギは、卵からでは育たず、全長50~60ミリにまで成長した天然の稚魚を採取して育てている。

2006年、マリアナ諸島沖の海山で産卵したものと特定できた。海山は水深3000~4000メートルの海底から海面下10メートル近くまでそびえ立つ海の山。
孵化した仔魚は、北赤道海流と黒潮にのって、約3000キロの距離を3~7か月間かけて日本沿岸まで旅をしてくる。
ウナギの産卵は謎が多く、人工飼育では孵化後100日まで生きるのは1万匹に数匹ほど。

産卵時の水温や明るさ、エサなどが分かれば、完全養殖が大きく進むと期待している。